皮膚の下にできたしこり、それは粉瘤かもしれません|放置せず早めの受診を
皆さんは、皮膚の下にコロコロとしたしこりができたことはありませんか?
首や背中、お尻など、身体のいろいろな場所にできることがある「粉瘤(ふんりゅう)」というものがあります。
痛みがないことも多く、最初は小さなしこりなので、そのまま気にせず過ごしている方もいるかもしれません。
実は私自身も粉瘤ができたことがあり、皮膚科で手術を受けた経験があります。
また、父親や弟にも粉瘤ができたことがあり、身近なところでも何度か経験してきました。
今回は、そんな粉瘤について、私自身や家族の経験も交えながらお話ししたいと思います。
粉瘤とは?
粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質や皮脂などがたまっていく良性の皮下腫瘍です。
別名で「アテローム」や「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」とも呼ばれます。
背中や顔、首などにできることが多いですが、お尻を含め、身体のさまざまな場所にできる可能性があります。
皮膚のすぐ下にコロコロとしたしこりができ、少しずつ大きくなっていくのが特徴です。
中央に黒い点のようなものが見られることもあります。
多くの場合、初めのうちは痛みなどの症状がありません。そのため、できていることに気づいていても、そのまま放置してしまう方も少なくないようです。
ただし、粉瘤は自然に消えることがほとんどなく、時間とともに大きくなることがあります。
また、細菌感染などによって炎症を起こすと、赤く腫れたり、痛みが出たりすることもあります。
私も粉瘤の手術を受けたことがあります
私の場合は、お尻にできました。
大きさはパチンコ玉くらい。
皮膚科を受診して、局所麻酔をしてからメスで切開し、中にある袋を取り出してもらいました。
先生の想像よりも深くあったのかほじくられたのを覚えています。
「あれ、先生苦戦してない?」と思えば思うほど不安になり、時間が長く感じました。
部分麻酔のため、他の場所は感覚があるので尚更です。
術後に患部の様子を見たとき、血液が固まっているのが目に入りました。
それを見て、なんだか気持ち悪くなってしまい、しばらくベッドで休ませてもらいました。
先生からは「見た目の割に繊細やなあ」と言われたのを覚えています。
関西の先生で、とても話しやすく、信頼できる先生でした。
今でも、お尻には2cmほどの横線の手術痕が残っています。
痛みは手術後が麻酔が切れてからがピークで次第に和らいでいきました。手術後1、2日ごくらいで一度傷口の確認のため受診し、また1週間ほどで抜糸、その後は受診しなかったと記憶しています。
自分自身が経験してみると、粉瘤というものがどういうものなのか、少し身近に感じるようになりました。
父親の粉瘤は、卵ほどの大きさに
父親にも、以前からお尻のあたりに粉瘤がありました。
最初はゴルフボールくらいの大きさだったそうですが、痛みもなかったため、数年そのままにしていたそうです。
場所もお尻ということもあって、車の運転や椅子に座るときに当たることがあり、大きくなるにつれて赤みや痛みも出てきたそうです。
本人も、必ず当たる場所にあるのため気になっていたようで、痛みが出てくると、破れてしまいそうな感覚もあったと話していました。
そして、あるときとうとう破れてしまいました。
中から膿のようなものが大量に出てきて、ティッシュを2箱近く使ったそうです。1箱では足りないくらい、どんどん出てきたと聞きました。
血も出て驚いたそうですが、その時は結局病院には行かなかったようです。
そして、また少しずつ年月を重ねて大きくなり、次は手術して摘出しました。
一度破れて中身が出たからといって、なくなるわけでなく、袋がある限り再発するらしいです。
私からも病院に行くように勧めているのですが、なかなか足が向かなかったのですが、破れて大騒ぎしたのもあり、さすがに2回目には行きました。
摘出したのは玉子サイズで、本当に薄皮張った卵のようにきれいに取れたようです。気づいた時から十数年経っていたそうです。いまは全く粉瘤らしきものはないそうです。
父親も現在62歳になりますが、普段から積極的に病院へ行くタイプではありません。
痛みがなければ大丈夫だろう、命に関わるものではないだろう、という気持ちもあるのかもしれません。
ただ、粉瘤は大きくなることもありますし、炎症を起こすこともあります。
気になる方は、一度きちんと診てもらってほしいと思っています。
弟にも首に粉瘤ができていました
数か月前には、弟が帰省したのですが、そのとき首のあたりに粉瘤のようなしこりができていました。父親もそばにいたので、以前の自分たちの経験を話しました。
弟は「帰ったら皮膚科に行ってみる」ということで、戻ったあと実際に受診したそうです。
その後、飲み薬を処方され、まだ小さかったこともあってか、しこりは目立たなくなり、今では分からないくらいになったと聞いています。
ただ、粉瘤そのものは袋状の構造が残っていると再び大きくなることもあります。
薬で小さくなったように見えても、自己判断せず、診断した医師に経過を確認することが大切です。
粉瘤は小さいうちに皮膚科などで相談を
粉瘤は、基本的には良性のものです。
しかし、自然に消えることはほとんどなく、少しずつ大きくなることがあります。
小さいうちはあまり気にならなくても、大きくなればなるほど、切除する際の傷も大きくなる場合があります。
私自身が手術を受けたとき、皮膚科の先生からも、もう少し大きくなっていたら、ここでは対応できず、大きな病院に紹介することになっていたかもしれないと聞きました。
また、粉瘤は袋状の構造ごと取り除かないと、再発する可能性があります。
炎症を起こしている場合は、すぐに袋を取り出すのではなく、まず切開して中の膿などを出し、炎症が落ち着いてから改めて摘出することもあります。
自分で潰したり、針を刺したりするのは避けてください。
皮膚の下に気になるしこりがある場合は、早めに皮膚科や形成外科で相談してみてください。
鍼灸院で身体を確認する際に気づくこと
当院では、鍼灸やマッサージを行う前に、患者さんの身体の状態を確認しています。
首や肩、背中などに触れることも多く、その際に皮膚の下に気になるしこりを見つけることがあります。
私自身も粉瘤になった経験がありますし、これまで何度も見てきたことがあるので、粉瘤ではないかと思うようなしこりに気づくことがあります。
実際に、マッサージを受けに来られた方にお伝えし、その後、医療機関を受診して手術を受けられた方もいました。
もちろん、触っただけで粉瘤と判断できるわけではありません。また、鍼灸やマッサージで粉瘤そのものを治療することもできません。
気になるしこりがあれば、無理に施術をすることなく、皮膚科や形成外科などの専門医に診てもらうようにお勧めしています。
身体に触れる仕事だからこそ、普段とは違う変化に気づき、必要に応じて専門の医療機関につなぐことも大切だと考えています。
気になるしこりは、そのままにしないでください
粉瘤は、初めのうちは痛みもなく、小さなしこりとして現れることがあります。
そのため、ついつい放置してしまう方もいるかもしれません。
しかし、少しずつ大きくなったり、炎症を起こして赤みや痛みが出たりすることもあります。
私自身も手術を経験しましたし、家族の経験からも、小さいうちに一度診てもらうことの大切さを感じています。
首や背中、お尻などに、なかなか消えないしこりがある方は、一度皮膚科や形成外科で相談してみてください。
何でもないものなら、それはそれで安心できます。
気になるものをそのままにせず、早めに確認しておくことも、自分の身体を大切にすることの一つだと思います。