筋肉の硬さにも違いがある。触れて分かる身体の状態
先日、お客様に施術をしていたときのことです。
筋肉の張り方について「背中の硬さは、最近のものですけど、足の硬さは少し時間が経っていますね」お話ししていると、「そんなことまで分かるんですね。すごいですね」と驚かれました。
私としては、普段から当たり前のように行っていることだったので、あまり意識していなかったのですが、改めて考えてみると、筋肉の硬さにもいろいろな種類があると感じています。
今回は、普段の施術で私が感じている、筋肉の張りや硬さの違いについてお話ししてみたいと思います。
同じ硬さでも、触った感覚は違う
筋肉が張っている、硬くなっているといっても、実際に触れてみると、その感触はさまざまです。
例えば、最近運動をしたり、身体を使ったりした後の張り。
こうした筋肉は、ふっくらとしていて、少し沈み込むような感覚があります。それでいて、パンと張っているような弾力もあります。
一方で、長い間緊張が続いているように感じる筋肉は、少し違います。
ギチギチとしていて、押してもなかなか沈み込まない。どちらかというと、乾いたような硬さを感じることがあります。
もちろん、すべての筋肉がこのように分けられるわけではありませんし、触った感覚だけで疲労が何か月、何年続いていると正確に判断できるものでもありません。
ただ、長年施術をしていると、最近の張りなのか、以前から続いているような緊張なのか、その違いを感覚的に捉えられることがあります。
最近の張りと、長く続いているような緊張
先日のお客様は、午前中に水泳をしてきたとのことでした。
身体に触れてみると、上半身は比較的ふっくらと張っていました。水泳で身体を使ったことによる、比較的新しい張りがあったのだと思います。
実際に背中をマッサージしてみると、比較的早い段階でほぐれていく感覚がありました。
ところが、下半身は少し違いました。
ここ数週間、施術を受けていなかったこともあり、足には以前から続いているような硬さや緊張が感じられました。
背中と比べても、筋肉の柔らかさや弾力が違います。
マッサージをしても、なかなか変化していく感覚がありません。後半になって、ようやく少しずつほぐれてきたような印象でした。
お客様自身も、背中の張りについてはある程度予想していたようですが、足の張りを指摘されたことには驚かれていました。
同じ身体の中でも、使ったばかりの筋肉と、以前から緊張が続いているような筋肉では、触った感覚も、施術に対する反応も違うことがあります。
一部分だけ、妙に硬い筋肉がある
また、私が触診をしていて気になるのは、身体の一部分だけが不自然に硬くなっているケースです。
全体的に疲れているというよりも、なぜかその筋肉だけが強く張っていて、手に伝わってくる感覚が違う。
左右を比べると、片側だけ極端に硬くなっていることもあります。
さらに不思議なのは、最近になって痛みが出てきたという方でも、触れてみると、その部分には以前から続いているような緊張が感じられることがある点です。
今の痛みと、そこにある硬さの時間的な経過が合わないように感じるのです。
こうした場合、私はその部分だけを見るのではなく、なぜそこだけが硬くなっているのかを考えるようにしています。
過去に交通事故に遭ったこと、高いところから落ちたこと、大きな骨折をしたことなど、以前の出来事が会話の中から出てくることもあります。
もちろん、筋肉の硬さだけで過去の怪我や事故を特定できるわけではありません。
ただ、過去の強い衝撃や怪我によって、身体の使い方や緊張の仕方が変わり、その名残が今の身体に影響している可能性はあります。
筋肉が記憶している、と言いたくなるような状態に出会うこともあります。
筋肉そのものが記憶を持っているという意味ではありませんが、過去の出来事が身体の状態に残っているように感じることがあるのです。
いつの間にか、質感の違いが分かるようになっていた
昔の私は、筋肉に触れても「ここは硬いな」「ここに筋があるな」という程度の認識でした。
それが、たくさんの身体に触れて施術を続けていくうちに、少しずつ違った感覚を持つようになりました。
単に硬いか柔らかいかだけではなく、どのような硬さなのか、どのくらい弾力があるのか、どこか不自然な緊張がないか。
そうした質感の違いが、以前よりも分かるようになってきたのだと思います。
誰かに教わって身につけたというよりも、日々の施術の中で、いつの間にか気づいていた感覚です。
今では、その感覚も施術を組み立てるための大切な手がかりの一つになっています。
筋肉の硬さだけですべてが分かるわけではありません。身体の状態は人それぞれですし、骨格や身体の使い方、生活習慣など、ほかにも確認することはたくさんあります。
それでも、手で触れて分かることは確かにあります。
これからも一人ひとりの身体に触れながら、そうした感覚を大切にしていきたいと思います。
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