見えないけれど、たしかにあるもの「氣」
「氣（き）」って聞いたことはありますよね？でもその正体は何でしょうか？
「元気」「病気」「やる気」「気をつけて」……
わたしたちの言葉の中には、「氣」という言葉がたくさん出てきます。
実はこの「氣」こそが、東洋医学でいちばん大切なエネルギーなんです。
でも、「氣」は目には見えません。
風や空気と同じで、感じることはできても、つかむことはできないもの。
でも、たしかに体の中をめぐっていて、わたしたちの命を動かしてくれています。
「氣」はからだと心を動かすエネルギー
東洋医学では、「氣」はこんなふうに考えられています。
・ごはんを食べたあとに元気が出るのも「氣」
・体が風邪に勝つのも「氣」
・イライラしたり落ち込んだりするのも「氣」の流れが関係
・なんとなく元気がない時は「氣」が足りないか、つまってるのかも
つまり「氣」は、体のすべてのはたらきを動かす“エネルギー”みたいなものなんです！
※この記事で使用している「氣」は「気」と同じ意味です。
普段良く使用する「気」という漢字は簡略化される前、元々はこちらの「氣」でした。
漢字の成り立ちとして、気のほうは中に〆（シメ）という字が当てられ、この〆には締める、閉める、といった意味を指します。一方でこちらの「氣」の方は、「米」という文字が充てられ、米という文字の形としては飛び散るような意味、太陽がエネルギーを発しているような解放を指し、「氣」は本来満ち足りて循環するものですので、ポジティブな意味合いがあるこちらの「氣」の方を使用しています。結局、どちらの漢字が好きかというだけの話でした笑
気・血・水とは？
東洋医学には基本となる「氣・血・水（き・けつ・すい）」という概念があります。
私たちの体を支える３つの大切な要素です。
西洋医学のように物質的・解剖学的な存在ではないものの、東洋医学において
「氣・血・水がバランスよく巡っていれば健康、乱れれば病となる」
というのが根本的な世界観です。
元々の言葉としての存在意義（歴史的背景）として「氣」は古代中国の易経・黄帝内経に登場し、「雲・霧・蒸気」など自然現象の観察から生まれた言葉です。「血」と「水」も自然界にあるものの延長として、人間の体にある“生命維持に不可欠な構成要素”としてとらえられました。
つまり、自然と人は一体であり、体の内側も外側も同じ理（ことわり）で動いているという思想が前提にあります。
氣（き）
目には見えないけど体の中を巡る“エンジン”のようなものです。
体を動かす・温める・守る・内臓の働きを保つなど多くの役割があります。
氣が足りないと「疲れやすい」「風邪をひきやすい」「やる気が出ない」などの不調が出ます。
血（けつ）
からだに栄養を届ける“赤いエネルギー”です。
単なる血液という意味合いだけでなく、心や脳にも栄養を与え、気持ちを安定させる役割があります。
血が不足すると「めまい」「貧血」「眠れない」「肌がカサつく」などが起こります。
水（すい）
カラダをうるおす“透明な水分”。
リンパ液や関節液、唾液、涙なども「水」に含まれます。
水が不足すると「口が乾く」「肌がカサつく」「関節がギシギシする」などの乾燥症状が出ます。
逆に、水がたまりすぎると「むくみ」「頭重感」「めまい」などが現れます。
氣にはいろいろな種類があります
東洋医学では、「氣」はひとつではありません。いくつかのタイプがあります。
| 気の種類 | はたらき | イメージ |
| 元気（げんき） | 生まれつきのエネルギー | 電池・生命のもと |
| 宗気（そうき） | 呼吸や心臓の動きを助ける | 呼吸とドクドクの力 |
| 營気（えいき） | 血といっしょに体をめぐる | 栄養とパワーの流れ |
| 衛気（えき） | 外からの風邪やウイルスを守る | バリア・免疫の力 |
| 正気（せいき） | 体の中の「よい気」の総称 | 体を守るヒーロー気 |
「氣」はカラダの中の道（経絡）を通ってめぐっている
氣は、体の中の「線路」や「道路」のようなものを通って、体中をぐるぐるめぐっています。これを「経絡（けいらく）」といいます。
この経絡には「ツボ（経穴）」があって、ツボを押したり鍼やお灸をすることで、気の流れを良くすることができます。これが、「ツボ（経穴）」を用いた鍼やお灸などの施術にもつながってきます。
「ツボ（経穴）」はその言葉通り壷（つぼ）の意味合いもあり、氣（エネルギー）血などが溜まるポイントでもあり、経穴（けいけつ）とも言われ経絡中にある穴であり、穴（けつ）は出入り口や反応点としてのことを指します。
気がうまくめぐらないとどうなる？
「気の不調」は大きく分けて3つあります。
| タイプ | 状態 | よくある症状 |
| 気虚（ききょ） | 気が足りない | だるい・疲れやすい・息切れ |
| 気滞（きたい） | 気がつまっている | イライラ・胸がつまる・お腹が張る |
| 気逆（きぎゃく） | 気が逆流している | のぼせ・頭痛・吐き気・ゲップ |
こうした不調を「気の乱れ」と呼び、東洋医学では気を整えることをとても大切にします。
氣はあなたの中にある「いのちのチカラ」
「氣」は見えないけれど、確かにあるもの。
元気・やる気・気持ち・気分…
たくさんの「氣」が、わたしたちを支えています。
東洋医学は、この「気」の流れを整えることで、病気を予防したり、今ある不調をよくしたり、心と体を元気に保ったりすることを目指しているんです。
だから、疲れた時・イライラした時・なんとなく不調な時には、「自分の気がちゃんとめぐっているかな？」と、自分のからだの声に耳をすませてみましょう。
病院に行ってもどこも悪くないです、精神科の分野かも？といって精神科に行ってもなんだか違うかもしれない。そんな原因は物質として顕微鏡で見えるものではなく、東洋医学が専門としている分野が原因かもしれないという考えを持ってみても良いのではないでしょうか？
杉沢はりきゅう院では、実際に来院されてのカウンセリング＆施術はもちろん、オンラインでのカウンセリングやLINE、Instagramでもメッセージでご相談を受け付けております。
いち早く施術することで、辛い症状とも早くお別れすることができます。
遠方の方は是非一度、お近くの鍼灸院へぜひご相談してみてください。
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