温玉を作ったきっかけは、子供でした。
「なぜ、温玉を作ったのですか?」
そうよく聞かれるのですが、答えはシンプルです。
実は、温玉を作ったきっかけは、子供でした。
長男は、少し喘息やアトピー、くるみアレルギーなどがあります。
夜、私や弟たちと激しく遊んで走り回ったりすると、部屋のハウスダストが舞って咳き込んだり、夜になって空気が寒くなると咳が出たりすることがありました。
親としては、何とかしてあげたいなと思います。
もちろん病院にも行きますし、必要な治療もします。
そのうえで、家でできるセルフケアのようなものも何かないかなと思ったんです。
それが温玉を作るきっかけでした。
お腹を温めるものを作ろう
ちょうどその頃、私は「腸と脳」という本を読んでいました。
腸にはまだまだ分かっていないことがたくさんある。
そんなことを知って、もしかしたら腸というものは、自分が思っている以上に大切なのかもしれないなと思いました。
今思えば、藁にもすがるような気持ちだったのかもしれません。
「何か、子供のためにできることはないかな」
そう考えていたときに思い出したのが、昔から言われてきた、
「お腹を冷やさない」
ということでした。
私自身、母親から
「お腹だけは冷やさないようにして寝るんだよ」とよく言われていました。
じゃあ、お腹を温めるものを何か作れないかな。
そう考えて、最初に思いついたのがカイロ。
でも、どうせ作るなら、できるだけ体に良いもの、天然のものを使いたい。
そこから試行錯誤が始まりました。
塩と麻で作る
今の温玉に入っているのは、秋田県男鹿の海水から作られた天然塩です。
温玉の中に塩を入れて電子レンジで温めると、じわっとした暖かさが続きます。
そして、それを包んでいるのが国産の麻生地です。
塩も麻も、日本では昔から身近に使われてきたもので、神事などにも使われてきました。
そういう昔から残ってきた素材を使って、自分の子供のために何か作れないかな。
そんなところから、今の温玉になっていきました。
別に最初から商品を作ろうと思っていたわけではありません。
ただ、子供に使わせて、少しでも元気になって欲しかったのです。
子供に使わせてみた
実際に子供に使わせてみると、
「気持ちいい」と言ってくれました。
もちろん、温玉を置いたからといって、すぐに咳が止まるわけではありません。
そこは私も分かっています。
でも、とても気に入ってくれて、今でも使っています。
以前より咳き込みがひどくなくなったように感じたり、肌の状態が良くなってきたりして、
「少しは子供のためになっているのかな」
と思うことがあります。
ただ、それが温玉のおかげなのかどうかは、私には分かりません。
それでも、子供が気持ちいいと言って使ってくれる、笑顔で遊んでいる。
それだけでも、作った意味はあったのかなと思っています。
自分で使ってみて、初めて分かったこと
その後、私自身や妻、両親にも使ってもらいました。
すると、思っていた以上に評判が良かったんです。
そこで、施術の途中に患者さんにも使ってもらうようになりました。
お腹に置いていると、
「なんか気持ちいいですね」と言われることがあります。
お腹がグルグルと動くような感じがする方もいます。
温めることでリラックスしたり、身体がゆるんだように感じたりすることはあります。
実際、腹部を温めることで腸の動きに変化がみられた研究もあります。
ただ、私が温玉を作って一番面白いと思ったのは、そういう理屈よりも、
「ああ、温めるって、こんなに気持ちいいんだ」
ということでした。
温かさが思ったより長く続くんです。
取った後も、なんとなくそこに温玉があるような、ポカポカした感じが残ります。
私自身、温玉を使うようになってから、よく眠れるように感じますし、お腹の調子もいい。
これは、自分自身の頑張った身体へのセルフケアとして、なかなか良いものだなと思っています。
「お手玉」だから、いいのかもしれない
ある患者さんは、温玉をお父様にプレゼントされたそうです。
少し認知症があり、毎回温玉のことは忘れてしまうそうなのですが、
温玉を見せると、
「これは何だ?」
と、すごく懐かしそうな顔をするそうです。
小さい頃に遊んだお手玉を思い出しているのかもしれません。
そして、笑顔で使ってくれる。
温かいので、そのまま手のひらに持って眠ることもあるそうです。
この話を聞いたとき、私は「お手玉」という形にして良かったなと思いました。
何か特別な機械でもない。
難しい使い方をするものでもない。
昔からある、お手玉のようなものです。
大人の手にも、子供の手にも収まる。
なんとなく手に取って、温める。
それくらいでいいのかもしれません。
「何かに効くもの」ではなく、大切な人のために
温玉を作ったきっかけは、子供のためでした。
そこから、温活というものを自分でも体験するようになりました。
お腹を温める。
身体を温める。
ゆっくり休む。
そういう小さなことが、自分の身体を大切にすることにつながるのかもしれません。
もちろん、温玉は病気を治すものではありません。
喘息やアトピーなどの治療の代わりになるものでもありません。アトピー性皮膚炎については、適切な治療やスキンケア、悪化因子への対応が大切だとされています。
でも、
「今日はちょっと疲れたな」
「お腹を温めて寝ようかな」
「両親に何か気持ちのいいものを贈ってあげたいな」
そんなときに使ってもらえるものなら、それでいいんじゃないかなと思っています。
何かにめちゃめちゃ効くよ、という商品ではありません。
大切な人の身体を、温めてあげる。
そんな使い方をしてもらえたら、温玉を作った私としては嬉しいです。
そして何より、最初は子供のために作ったものが、今では患者さんや家族にも使ってもらっている。
そう考えると、作ってみて良かったなと思います。